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住宅性能を左右するUA値とは?基本的な用語の意味から徹底解説

「住宅性能を示すUA値って何?」

「どうして重要なの?」

住宅を建てる際に気になるのが、室内の快適性やエネルギー効率ですよね。昨今では温度変化や光熱費の高騰などが懸念されているため、新築を建てる方はなおさら気にかかることでしょう。

そんな中注目されている「UA値」ですが、専門的で複雑なため、敬遠してしまう方も多いようです。

「でも、せっかくなら快適に過ごせる住宅を建てたい…!」

という方のために、この記事では、UA値についてどこよりも丁寧に解説!UA値の基本だけでなく、他の指標との違いやUA値の改善方法なども徹底解剖しています。

UA値のことを知れば、快適な住宅を建てられるだけでなく、光熱費の抑制や将来のリフォームにも役立ちます。快適でエコな生活を手に入れるためにも、この記事でUA値のことを理解しておきましょう。

住宅を建てる時に重要なUA値

住宅の快適性や省エネ性能を高める為には、UA値の理解が欠かせません。

UA値は住宅の性能を示す指標ですから、このことを理解しておくと、エネルギー効率の良い住まいをたてることができます。

まずは、UA値の基本と重要性について理解しておきましょう。

住宅の快適性や省エネ性能を示す指標としてのUA値

UA値は「外皮平均熱貫流率」と呼ばれ、住宅の断熱性能を示す指標です。値が低いほど断熱性能が高く、快適で、省エネな住宅と言えます。

壁・窓・屋根などを通じて失われる熱量を示しており、値が低ければ低いほど、外気の影響を受けにくくなります。つまり、外気が変化しても、室内の温度を一定に保ちやすくなるのです。これにより、エアコンの使用頻度が減り、省エネ効果を期待できます。

例えば、北海道のような寒冷地では、UA値が0.28以下であることが推奨されています。これに対し、温暖な地域では、0.87以下が目安です。この基準を満たすことで、年間の暖房費や冷房費を大幅に削減できることが分かっています。

UA値が低い住宅は、快適性と省エネ性能の両立を実現してくれる…ということですね。住宅を建てる際は、この指標をしっかりと確認し、断熱性能の高い家を選ぶことが重要になります。

UA値を求める目的と重要性

UA値を求める目的は、住宅のエネルギー効率を高め、快適な住環境を実現することです。

低いUA値を実現できれば、冷暖房効率が向上し、エネルギー消費を抑えることができます。光熱費を抑えられるだけでなく、地球環境への負荷を減らし、持続可能な社会を目指せるのも重要なポイントです。


今注目されているZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)では、UA値0.6以下を求められています。このような高断熱住宅では、外部環境の影響を受けにくく、一年中快適な室内環境を保つことができるのが魅力です。


UA値を理解し、適切な住宅選びをすることは、快適でエコな暮らしを実現するための第一歩と言えるでしょう。断熱性能の高い住宅は、長期的な光熱費の削減にも繋がり、経済的なメリットも大きいです。

「UA値って、具体的にはどう求めるの?」

という方のために、もう少しUA値のことについて掘り下げてみましょう。

住宅におけるUA値の定義や計算方法とは?

UA値(外皮平均熱貫流率)は、住宅の断熱性能を数値で示す重要な指標です。

UA値を深く理解することで、住宅の省エネ性能や快適性を高めるための具体的な基準や対策がわかります。

UA値の定義、計算方法、地域別の基準について詳しく解説しますので、参考にしてみてください。

UA値の定義と意味

 UA値とは「外皮平均熱貫流率」のことで、住宅の壁・屋根・窓などを通じてどれだけ熱が逃げるかを示す数値です。UA値が小さいほど断熱性能が高いことを意味するのです。

UA値は、住宅の快適性と省エネ性能を直接的に表すため、多くの住宅設計や建築の基準に用いられています。外壁などの熱の逃げやすさを具体的な数値で示すことで、どの程度断熱性能が高いかを客観的に評価できるのです。

例えば、UA値が0.6 W/㎡Kの住宅は、UA値が1.0 W/㎡Kの住宅に比べて高い断熱性能を持ち、冬は暖かく夏は涼しい環境を保つことができます。暖房や冷房のエネルギー消費の抑制を期待できる、ということです。

UA値は、住宅のエネルギー効率と快適性を示す重要な指標であり、住まいの質を向上させるために欠かせない指標であることが分かります。

UA値の計算方法

UA値の計算は、住宅外皮からの熱損失量を外皮面積で割ることで求められます。具体的には

「UA値(W/㎡K)=熱損失量(W/K)÷外皮面積(㎡)」

という計算式を使用します。この計算を用いれば、外皮全体の断熱性能を平均的な数値として示すことが可能です。ただし、計算する際は壁や屋根、窓などの各部分の断熱性能を総合的に考慮する必要があります。

例えば、ある住宅の外皮面積が200㎡で、外皮全体からの熱損失量が100W/Kの場合、UA値は「100W/K ÷ 200㎡ = 0.5 W/㎡K」となります。この数字が大きくなるほど、熱量の交換が大きくなり外気の影響を受けやすくなる…ということです。

UA値を求めることで、住宅性能を客観的に評価しやすくなります。

UA値は地域によって基準が異なる

UA値の基準は地域によって異なります。これは各地域の気候条件に応じて、断熱性能のニーズが違うからです。

例えば、寒冷地では外気温が低いため、より高い断熱性能が求められます。そのため、寒冷地の基準UA値は低く設定されているのです。

北海道の基準UA値は0.4 W/㎡K以下とされていますが、温暖な地域では0.6 W/㎡K程度が基準とされています。地域ごとに異なる基準値が設定されており、適切な断熱性能を確保するための指標が示されているのです。

地域別のUA値基準を理解し、それに基づいて住宅を設計・建築することで、よりエネルギー効率の高い快適な住環境を実現することができるでしょう。

参照:国土交通省住宅・建築物の省エネルギー対策

UA値は住宅評価指標であるC値・Q値とどう違う?

住宅の性能を示す数値として重要なUA値ですが、住宅性能を示す数値にはC値・Q値というものもあります。

それぞれの指標が示す違いを理解すれば、よりUA値について理解を深めることができるでしょう。

UA値と比べて、どのような点で異なるのか、具体的に見ていきます。

3-1. C値との違い

C値は、室内の気密性を示す指標です。

つまり、スキマの少なさと言えるでしょう。C値が低ければ低いほど、外気が侵入しづらく、エネルギー効率が高い家になります。

例えば、C値が0.6以下の住宅は、気密性が非常に高く、外気の影響を受けにくいため、四季を通じて室内の温度や湿度を安定させやすいです。

C値を活用すれば、より快適な住環境やエネルギー効率を実現しやすくなるでしょう。

3-2. Q値との違い

Q値は、時間当たりで熱の逃げやすさを評価する指標です。UA値が空間軸であるのに対し、Q値は時間軸で断熱性を評価するものだと言えるでしょう。

1時間当たりのQ値も低ければ低いほど、熱損失量が低いことを示します。つまり、Q値が低い家は、熱損資料が少なく、エネルギー効率が非常に高いということです。

理想的なQ値は1.6~1.0W/㎡・Kと言われますが、具体的な基準はありません。住宅メーカーによっては、2.0 W/㎡・Kを採用している場合もあります。

Q値は床面積によって数値にばらつきが出てしまうため、現在ではより正確な数値が出せるUA値が採用されるようになりました。もし住宅メーカーが情報を持っていたら、参考程度に聞いてみましょう。

UA値が住宅性能に与える影響

ここまでUA値の重要性や目的などについて見てきましたが、実際にUA値が低いと、どのようなメリットがあるのでしょうか。

具体的なメリットを知っておけば、よりUA値についてイメージしやすくなるはずです。

実際にUA値が住宅性能に与える影響について見てみましょう。

快適性が高まる

UA値が低くなると、住宅の快適性が高まります。

UA値が低いということは、住宅の断熱性能が高いということ。外気に影響されなくなるため、冬は暖かく、夏は涼しいという状態になります。つまり、室内の温度が安定し、過ごしやすくなるのです。

UA値が0.6以下の住宅は、室内の温度が安定しやすくなります。例えば、外気温が極端に高くても、室内は気温が上がり辛く、エアコンの仕様も最低限で済みます。快適なだけでなく、光熱費も抑えやすくなるでしょう。

季節の変化に左右されにくい住宅を作りたい方は、高いUA値が欠かせません。具体的な実現方法については、後述していますので、参考にしてみてください。

光熱費などを抑えやすくなる

UA値が低ければ、エアコンなどの使用量が最低限で済むため、光熱費を大きく抑えることができます。

昨今では、ガス代や電気代の高騰が懸念されています。UA値が高い住宅であれば、光熱費を節約でき、高騰の影響を受けにくくなるのが魅力です。これからも光熱費の高騰が見込まれているので、これから住宅を建てる方は無視できない値となっています。

例えば、UA値が0.4の住宅では、冷暖房コストが従来の住宅に比べて最大で30%程度削減される場合があります。ただし、状況によって異なりますので、参考程度に留めておきましょう。

断熱性能にこだわると、やはり初期費用は高くなります。それでも、長期的な視点で見れば、コスパの良い初期投資になると言えるでしょう。

住宅のUA値を高めるには?

住宅のUA値を高めるためには、適切な建材選びや施工が欠かせません。

高い費用をかけて家を建てたのに、UA値が高い…なんてことになっては、住宅の快適性が損なわれ、光熱費にも悪影響を与えてしまいます。

もちろん、専門家へ相談が必要不可欠ですが、UA値を高める方法について、次に解説する3つについては最低限押さえておきましょう。

高品質な断熱材を使用する

断熱性能を高めるには、断熱性の高い素材が必要不可欠です。

代表的な断熱材であるグラスウールは、安価でよく使われていますが、スキマを埋めるのが難しく、断熱性能があまり高くありません。UA値にこだわりたい方は、セルロースファイバーなど、高性能な断熱素材を使う必要があるでしょう。

ただし、セルロースファイバーの相場は6,000~9,000円/㎡。900~1,800円/㎡であるグラスウールに比べ、非常に硬化であることが分かります。

適切な断熱材の選定と使用は、UA値改善の重要なポイントですが、予算とも相談する必要があることは理解しておきましょう。

窓やドアの断熱性能を高める

窓やドアの断熱性能を向上させることでUA値を向上させることができます。

建物の開口部は最も熱が逃げやすい場所。この逃げ道をふさぐことが出来れば、全体の熱損失量が低下し、UAが高まるのです。

例えば、北海道などの寒い地域ではペアガラスと呼ばれる、複数層のガラスが使われています。ガラスが何層もあることで、外気の影響を受けにくくなり、室内の温度が安定します。

断熱性能が高い窓やドアは、やはり初期費用がかかります。予算を抑えたい方は、専門家と相談した上で、ピンポイントで窓を設置してみるなど、工夫が必要になるでしょう。

施工技術が高い店に依頼する

断熱素材の性能を引き出すには、高い施工技術が必要です。

いくら断熱性能が高い素材でも、スキマがあっては性能を最大限に引き出すことができません。コストをかけたのに、UA値が低い…なんてことにもなりかねないのです。

施工店を選ぶ際は、必ず次のことを確認しておきましょう。

創業年数・実績

口コミ・レビュー

品質保証・認定や資格

保険

施工店を選ぶ際は「費用の安さ」を重視しがち。これでは手抜きをされてしまう可能性がありますので、上記の4つを踏まえた上で、総合的に判断していきたいところです。

【まとめ】UA値を理解して理想の住宅を建てよう

ここまで、住宅性能を左右するUA値について解説してきました。まとめると次のようになります。

UA値は住宅の快適性や省エネ性能を示す数値

UAが低いと快適性が高まり、光熱費を抑えやすくなる

断熱性能はUA値の他にもC値やQ値などの評価方法がある

住宅のUA値を高めるには初期投資が必要

住宅は人生の大半を過ごす、重要な空間です。断熱性能であるUA値は、その快適さを左右する指標と言ってもいいでしょう。

ただ、せっかく高いお金を出して建てるのにUA値が低くて過ごしづらい…なんてことにはなりたくないですよね。

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