質の高い睡眠は疲労を回復し、翌日への活力へとつながります。
日常的な生活習慣はもちろんですが、部屋の環境や寝具等も睡眠の質に大きく関係するため、新築時には慎重になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、新築時のベッドルームに理想的な間取りや内装などについて、わかりやすく解説しています。
Contents
新築時ベッドルームに求めるこだわり
新生活においてベッドルームをどこに配置するのか、内装やレイアウトなどへのこだわりは人によって異なります。
しかしながら、ベッドルームは1日の疲れを癒す場でなくてはいけないため、リラックスできる空間であることが重要です。
重視すべきは就寝しやすい環境であることですから、プライバシーが守られ静かに過ごせる場所になるように考えましょう。
家族が頻繁に歩き回るような動線上ではなく、離れた位置に配置し、外からの騒音や光なども遮断できるようにします。
防音や遮音・遮光カーテンの導入で、落ち着いた環境を手に入れられます。
間取りが決まったら、間接照明を使ってスムーズに眠りにつける環境作りを始めましょう。
寝室にはウォークインクローゼットを設け、効率よく収納できる空間にすると、落ち着いて眠れます。
「寝るだけ」ではなく、リラックスできる空間にすることが、新築時のベッドルームの満足度につながるといえるでしょう。
ベッドルームのレイアウトを決める際のポイント
睡眠は生活の質を高めるための重要な要素であり、その時間を過ごすためのベッドルームは
環境と機能性を両立させた部屋であるべきです。
新築時には、いくつかのポイントを抑え、理想のベッドルームを作りましょう。
ここからは、ベッドや収納スペースの配置、眠りにつきやすいような照明や部屋から移動しやすい動線までをご紹介します。
半個室にする
生活リズムが異なる場合、夫婦でも半個室を設けてプライベート空間を守りたいケースがあります。
壁で仕切るのではなく、カーテンや間仕切りを用いることで、視線を遮る程度に緩やかに分ければ落ち着いた空間の出来上がりです。
天井まで仕切らず抜け感のあるデザイン棚を使えば、採光や通気性を保ちながら、空間にメリハリも生み出せます。
半個室にすれば就寝前の読書スペースを作れますし、物音を完全に遮断はできませんが、自分だけの時間を大切にできる場所ができます。
子育て中であれば、寝室の一角を子ども用のベッドを設置し、子供部屋に移るまで親子でゆったり過ごせるようにするなどの柔軟性がメリットです。
広さ
ベッドのみを入れるのか、クローゼットなどの収納スペースも必要なのか、どのような空間にするかで必要な広さは異なります。
単に広ければよいというわけでもありませんし、「眠るだけだから狭くてもいい」と間取りを決めると落ち着いて眠れないケースもあります。
ベッドのサイズに合わせた適切な広さがあること、通路が確保され動きがスムーズなのかも重要です。
必ずしもダブルベッドでなければならないわけではありませんし、ドレッサーなどの家具を置く場合には動線も計算に入れる必要があります。
余白を意識した間取りは、気持ちに余裕を生み出すため、夫婦それぞれ快適さを保てる広さを考えましょう。
広すぎると冷暖房効率が落ちたり、落ち着きがなくなったりするため注意が必要です。
通風性
就寝中には汗をかくため、ベッドルームは湿気やニオイがこもりやすい環境です。
通風性を確保するためには窓の設置が重要なポイントであり、空気を循環させれば、快適な空間を保てます。
対角線上に窓を設ければ対面通風が可能になり、自然な風を取り入れられるため、夏場の冷房が苦手な方も快適に過ごせます。
風の流れをスムーズにするために扇風機やサーキュレーターを活用する際、空気の流れを意識して設置できるようにしましょう。
窓の近くには大型家具などは配置しないようにするなど、風の流れがスムーズになるように考えます。
冬場は結露防止のために気密性の高いサッシや窓を採用するのがおすすめです。
エアコンを設置する場合も、自然の風が行き交う爽やかな空間であれば、湿度によりカビなどの心配がありません。
遮光性
緩やかに朝日を浴びれば体内時計が働きだし、体が自然に目覚めます。
遮光性は1日の始まりをスムーズにし、夜は自然に眠りにつくための重要なポイントです。
東向きのベッドルーム
東向きの寝室は朝日が差し込みやすく、自然に目覚めやすくなります。
朝早くに強い日差しが入るため、昼夜逆転の仕事の方は窓に遮光カーテンやブラインドなどを利用しコントロールが必要です。
西向きのベッドルーム
夕方には西日が差し込みますが、朝はほとんど日光が入らないため、自然な目覚めは期待できません。
夜型の人はゆっくり眠れますが、日中に部屋が暑くなりやすいため、遮熱効果のあるカーテンや断熱フィルムで快適な空間作りをしましょう。
南向きのベッドルーム
一日を通して日当たりが良く、冬場も暖かく快適に過ごせます。
ただし、南向きは長時間強い日差しが差し込むため、明るさを活かしつつ、睡眠時にはしっかり遮光できる工夫が求められます。
北向きのベッドルーム
直射日光が入りにくいため、明るすぎず暗すぎずの環境で休めるのがポイントです。
遮光性の面では、ほかの方角のように極端な対策は必要ありませんが冬場は寒くなりがちです。
地域によっては湿度が高くじめじめした環境になるため、こまめな除湿で部屋をカリッとさせましょう。
ベッドルームを考える際のポイント
就寝のためだけの部屋なのか、リラックスできる環境にしたいのかで部屋の広さや間取りも
異なります。
着替えてリビングに行き、通勤や通学へ向かうのであればクローゼットなどの配置も必要でしょう。
ここでは、どのようなベッドルームが必要なのかについて考えてみました。
クロークインクローゼットを活用
ベッドルームは広さにこだわりたい、シンプルにまとめて収納したい時に考えたいのがクロークインクローゼットです。
引き出しを開けて服を探す必要もなく素早く着替えられますし、季節物やバッグ・帽子などの小物まで一括して収納できます。
季節に応じた衣服の入れ替えも簡単になりますし、ハンガーパイプ収納と棚収納を使い分ければ無駄なスペースもなく部屋がすっきりします。
朝の支度や着替えがスムーズになれば、気持ちにもゆとりが生まれ、生活リズムが整い快適な生活が送れるようになるでしょう。
しかしながら、詰め込むだけの収納にしてしまうと通気性が悪くなるため、ワンシーズンに必要なものが見やすく取り出しやすいように設計するのがポイントです。
最適な窓の形や位置を考える
窓は採光や通風だけでなく防犯やプライバシーの面でも、重要な意味をもっています。
採光を考えるのであれば南向きや東向きの窓は、自然光による快適な目覚めをサポートします。
しかしながら、ベッド近くに窓があると「まぶしい」「寒い」と感じてしまいますし、場所によっては冷たい風が入り冷暖房効率が下がるケースもあるでしょう。
縦すべり窓は視線を遮りながらも光と風を取り込めるため、プライバシーと通気の両立が可能です。
ベッドルームが道路に面している場合には、目線の高さを避けて床近くに小窓を設けたりするのもいいでしょう。
窓の高さや開閉方式を工夫し、防犯ガラスや補助ロックを設置すれば、防犯面でも安心です。
夏と冬では太陽の高さが異なるため、ベッドルームの方角に合わせて、窓の高さも考えてください。
最適な照明のタイプを選ぶ
安眠するためには、照明のタイプや採光にもこだわってみましょう。
心身をリラックスさせ、快適な睡眠に入るためには配置を考えることも大切です。
ベッドルームを使う目的によっても必要な照明は異なるため、じっくりと考えて選んでください。
寝室にシーリングライトやダウンライトを使う場合には、暖色系が目にやさしく就寝前の心を落ち着かせやすくなります。
調光機能付きの照明を選べば、気分や時間帯に合わせたライティングが可能です。
就寝前に読書などで心を落ち着けたい場合には、壁面や床を照らす間接照明を設置することで、リラックスできる雰囲気を演出できます。
ベッドサイドに配置するナイトライトは、スイッチ操作や人感センサー付きであれば、夜中のトイレや授乳にも便利です。
ベッドルームでは明るさを抑えた、目に優しい光を基本に調光できる照明がいいでしょう。
最適なベッドを選ぶ
部屋のサイズやレイアウトは、過ごしやすくするために大切なポイントですが、快眠のためにはベッドの選びかたがカギになります。
寝具はサイズはもちろんですが、マットレスの硬さや機能性を考えて選びましょう。
寝返りがしっかり打てる余裕のあるサイズであること、夫婦で1つのベッドを使うのか、それぞれにベッド分け使うかも熟睡するためのポイントです。
マットレスの硬さや種類は、腰や肩などの負担を軽減できるものでなければなりません。
夫婦でも最適なものが異なりますから、好みに応じて試し寝をして選ぶのがベストです。
ベッドのフレームについては、床との距離があれば通気性が良く、湿気対策にもなります。
ヘッドボードにコンセントや棚があるデザインが良いのか、収納やコンセントなどは別に設置するのかなど、ライフスタイルに合わせて選びましょう。
ベッドが決まったら、ウォークインクローゼットやドアとの距離などを考えてベットルームを作ります。
ベッドを決める際の目安
ベッドルームには必ずしもベッドを使わなければならないわけではありません。
お子さんが小さい期間は、おねしょなどの心配もあるため布団を利用する方もいますし、布団の方が眠りにつきやすい方もいます。
ベッドルームは、利用する人数に応じた空間設計が重要です。
夫婦二人の場合には、寝具は布団2枚分で4畳半〜6畳の広さが必要になります。
お子さんが一緒にベッドルームを使うのであれば布団が2〜3枚分ですが4畳半〜6畳、お子さんが2人で4人家族になるとは布団3〜4枚分6畳〜7畳、お子さんが3人で5人家族はで4〜5枚分の布団が敷ける7畳が必要です。
これはあくまでも目安で、収納やデスクなどを設置する場合には、もう少し広い部屋が必要になります。
最適な壁紙の色を選ぶ
視覚から入る情報は心に大きな影響を与えるため、ベッドルームの壁紙はリラックスできる色を選びましょう。
横になって目線に入るのは壁と天井ですから、寒色や中間色など心を落ち着けられる効果がある色がおすすめです
淡いブルー系は清涼感があり空間を広く感じさせる効果があり、ベージュやアイボリー系はナチュラルな印象を与え、快眠へといざないます。
床を木目やブラウン系などにすれば、壁や天井の明るい色がより美しく見え、ベッドルーム全体がリラックスできる空間になります。
赤みのある色は緊張感を与えてしまうため、ベッドルームには不向きです。
落ち着いたグレーは内装として人気がありますが、色が濃くなると室内が暗くなるため、ライトグレーを選ぶなど工夫してみましょう。
災害時を考える
いつ起きるかわからない災害に備えたベッドルームは、被害を最小限に抑えるための工夫が必要です。
就寝中に家具が倒れて被災しないように、本棚などの大型家具はベッドの近くに置かず、必ず固定しましょう。
時計やテレビを壁掛けにする方もいますが、就寝中に落下の危険性があるものはできるだけ配置しないようにします。
家具の上にはものを置かないようにする、必要なものは落下防止ストッパーを使う工夫も必要です。
万が一を考え、防災グッズはベッド下などに備えておく、懐中電灯は枕元に常備するなどの工夫も忘れずに行います。
スムーズに移動できるように、足元には無駄なものは置かず通路は常に確保しておきます。
ベッドルームを決める際の注意ポイント
間取りに失敗してしまうと、充分な睡眠が取れずにストレスを抱えてしまいます。
後悔しないためにも、いくつかのポイントに注意しましょう。
トイレの横に設置しない
高齢になるとベッドルームとトイレは近い方が便利ではありますが、快適性の観点は避けたい間取りの一つです。
夜中にトイレのドアの音で目が覚めたり、水音や足音で眠りを妨げられてしまうと、眠れなくなってしまいます。
睡眠の質が低下すると、疲れやすくなり、イライラしたり失敗が増えてしまいます。
換気が上手くいかなかったり、気温が高くなると音だけでなくトイレ特有の臭いが、ベッドルームに漏れくるリスクも無視できません。
来客時には不都合が生じることがあり、プライバシーを守る意味でも設置場所は重要です。
ランドリールームや洗面所、バスルームなど、水回りの動線を作り、部屋は独立させるように間取りを考えます。
コンセントの位置に注意
ベッドルームの快適性を左右する要素として、コンセントの位置に注意しましょう。
スマホの充電や照明・加湿器などは、ベッド脇にコンセントを設けておけば、延長コードなどを必要とせずに快適に利用できます。
部屋の角や床近くにも数か所配置しておくと、布団で休む方も便利ですし、掃除機を利用する際にも使えます。
コンセントの位置が悪く、延長コードを使うようになると、照明が暗いと足をひっかけてしまうなど安全性も低下します。
ベッドの配置をイメージせずにコンセントの位置を決めてしまうと、使いたい時にコンセントがないなどの不便が起こりがちです。
生活スタイルや室内で利用する家電を想定し、コンセントの位置だけでなく数も事前に検討しましょう。
扉を閉める際にうるさくないようにする
就寝のタイミングは家族であっても異なりますから、扉の開閉音には配慮が必要です。
扉を閉める際に音を立てないためには、ソフトクローズ機能付きドアの採用がおすすめです。
引き戸タイプだけでなく、ソフトクローズ機能付き開き戸もありますから、新築時には確認してください。
仕上がってしまった後でも、ドアクッションや戸当たりゴムで、衝撃音をやわらげることができます。
音を立てない工夫は、家族であってもプライバシーを守るために必要ですので、ご注意ください。
エアコンの位置に注意
ベッドをどこに配置するかで、エアコンの位置も考えなくてはいけません。
設置場所を間違えてしまうと、冷たい風が体に当たってしまうため、体が冷えてしまいます。
風向きによっては部屋全体が冷えずに、快適とは言えない環境になるので注意が必要です。
ベッドの位置は、直接風が当たらないようにエアコンの正面にこないようにします。
足元や部屋のサイドに配置すれば部屋全体に冷たい空気が循環しやすいですし、風向きの調整が細かくできるタイプを選ぶと、より快適に過ごせるでしょう。
フィルター掃除や点検がしやすいタイプを選び、自分で掃除しやすい高さであれば快適に使用できます。
まとめ
ベッドルームの広さは、利用する家族の人数やライフスタイルによって違いがあります。
また、布団かベッドにするかでも、家具の配置を考えなくてはいけません。
実際に生活すると、「思っていたのとは違う」点はでてくるものですが、少しでも後悔しないためにも、「日当たり」「広さ」「通風」を中心に考えてみましょう。
また、家全体の間取りの面からも最適な場所にベッドルームを設置し、質の高い睡眠を手に入れましょう。