テレワークしやすい間取りとは？具体的な間取りの作り方や注意点を解説します！

テレワークとは、オフィス以外の場所を利用した勤務形態であり、在宅勤務や出張先やカフェなどで仕事をするモバイルワーク、本社から離れた場所に会社がオフィスを要して働くケースなどがあります。

最もイメージしやすいのが、在宅勤務のテレワークではないでしょうか。今回は、自宅でテレワークすることを想定し、テレワークがしやすい間取りや注意点について解説します。ぜひ、参考にしてください。

テレワークが普及した背景

インターネットが広く普及し始めた1990年代後半から、自宅で仕事をするテレワークという働き方が注目されるようになりました。その後、2010年代後半に「働き方改革」が推進され、テレワークを含む柔軟な働き方が推奨されるようになりました。

さらに、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、多くの企業が出社人数を減らしテレワークを導入したことで、テレワークは一気に普及しました。

その結果、自宅で快適にテレワークができる環境を整える必要性が高まり、テレワークに適した住宅の間取りなどが求められるようになったのです。

（参考：男女共同参画局）

テレワークで重視するべきこと

近年の働き方改革に伴い、オフィス以外での勤務形態であるテレワークの機会が以前よりも増えました。自宅を仕事場とするからこそ、快適かつ生産性を維持できる環境づくりが重要です。オンとオフを切り替え、集中力を高め、快適に仕事をするためには、どのような点に注意すべきでしょうか。ここでは、テレワークで重視すべきことについて解説します。

集中力が高められる環境をつくる

テレワークを快適に進める上で、集中力を高められる環境づくりは欠かせません。周囲の音に気を取られることなく業務に集中できるよう、静かな個室を設けたり、家族の生活空間と物理的に分離したりすることが有効です。パーティションや仕切りを活用するのも良いでしょう。

照明にもこだわり、自然光に近い明るさの空間を作ることによって、集中力をさらに高めることができます。また、仕事モードに切り替えやすく、終業後はしっかりとオフに切り替えられる環境を整えることも重要です。

メリハリをつけることで、オンオフの切り替えがスムーズになり、より集中力を高めることができるでしょう。

空間の快適性を高める

テレワークを快適に進める上で、空間の快適性を高めることは非常に重要です。なぜなら、自宅というリラックスできる環境であっても、仕事に集中できる空間でなければ、生産性が低下したり、疲労が蓄積したりする可能性があるからです。

明るい環境作りのために、日中は自然光を取り入れられるようにしたり、照明を工夫したりして、採光に気を配りましょう。 また、温度や湿度の調整も大切です。 エアコンや換気扇を効果的に活用し、常に新鮮な空気を循環させることで、快適な状態を保つことができます。 特に、締め切った部屋では二酸化炭素濃度が上昇しやすく、眠気や倦怠感の原因となるため注意が必要です。

長時間のデスクワークに適した環境を整えることも重要です。備え付けの机を設置する場合は、長時間座っても疲れにくい高さの机や椅子を選ぶことが望ましいです。仕事がしやすい机やいす選ぶことで、姿勢の悪化や体の疲労を防ぐことができます。

さらに、冷暖房の効率を考慮することで、快適性を維持しながらエネルギー消費を抑えることができます。断熱材の使用や適切な家具の配置などを通じて、効率的な温度管理を行うことが可能です。

テレワークに適した設備を設置する

テレワークを快適かつ効率的に行うためには、適切な設備を整えることが非常に重要です。安定した通信環境は必須です。Web会議や大容量データの送受信など、業務内容によっては、回線速度が遅いと大きなストレスを感じることになるからです。

パソコンやスマートフォンなどを快適に利用するために、電源の確保も重要です。作業スペースに十分な数のコンセントを設置するだけでなく、機器を使いやすいようにコンセントの位置にも配慮する必要があります。

さらに、書類や文房具などを収納するスペースも必要です。収納スペースが不足すると、作業スペースが散らかってしまい、集中力を妨げるだけでなく、仕事の効率も低下してしまいます。

これらの設備を収納できるだけの広さも必要です。快適なテレワーク環境を実現するためには、単に机と椅子を置くだけでなく、ゆとりのあるスペースを確保することが大切です。

セキュリティを考慮する

テレワークは、オフィスよりもセキュリティに気を付けなければなりません。セキュリティが確保されていない部屋で仕事を行うと、情報漏洩のリスクがあるからです。具体的には、Web会議の内容や取り扱う機密情報が外部に漏れないよう、周囲の環境に配慮する必要があります。

また、業務内容によっては、仕事用PCや重要書類を保管するための鍵付きの書庫や金庫を設置するなど、物理的なセキュリティ対策も必要です。パソコン画面を第三者に見られないような配置にするなど、ちょっとした工夫も有効です。

テレワークがしやすい間取りのタイプ

テレワークには、重視しなければならない点が複数あることがわかりました。こうした要望を達成するには、どのような間取りにすればよいのでしょうか。主な間取りのタイプを3つ紹介します。

オープン型の間取り

オープン型の間取りは、テレワークスペースとして活用する際に、費用を抑えながら、柔軟なワークスタイルを実現できるというメリットがあります。個室を設ける必要がないため、小さな土地やマンションでも快適なテレワーク環境を整えられるのもメリットです。

リビングなど、家族と共有する空間の一部をワークスペースとすることで、子どもの様子を見守りながら仕事を進めたり、合間に家事をしたりと、仕事とプライベートの時間調整もしやすくなるでしょう。

一方で、オープンであるがゆえに、仕事とプライベート時間の切り替えが難しく、集中力を維持するのが難しいというデメリットも持ち合わせています。家族が常に周囲にいる環境では、Web会議などで周囲に気を使ったり、生活音が入ってしまったりする可能性があり、集中して仕事に取り組みたいという方には不向きと言えるでしょう。

また、パソコン画面を家族に見られるリスクも考えられるため、セキュリティ面にはより一層の注意が必要です。簡易的な仕切りを設置するなど、視覚的な区切りを作る工夫を取り入れることも重要になります。

半個室型の間取り

住宅内の空いたスペースを有効活用する半個室型の間取りは、オープン型と完全個室型の間を取ったバランスの良さが魅力です。リビングや寝室の一角をパーティションや書棚で区切って仕事をするための場所を確保します。集中しやすい環境でありながら、コストを抑えられるというメリットがあります。

集中力と快適性の面で優れています。オープン型のように周囲の視線が気になることが少なく、ウェブ会議なども周囲に気兼ねなく行えます。そのため、集中して業務に取り組むことができ、快適なテレワーク環境を実現できます。

また、セキュリティ面でも安心感があります。完全に部屋が仕切られているわけではないものの、オープン型に比べれば、書類やパソコン画面を他人に見られるリスクを減らせます。広さや費用の面でもメリットがあります。完全個室型のオフィスを作るよりも建築コストを抑えられ、限られたスペースでも設置可能です。

快適性とセキュリティの面では、特に注意が必要です。快適性の面では、設置場所によっては、夏は暑く、冬は寒いなど、季節によって快適性が大きく変わる可能性があります。特に、北向きの部屋やエアコンがない場所に設置する場合には注意が必要です。

セキュリティ面では、電話やウェブ会議の内容が周囲に聞こえてしまう可能性があります。そのため、機密性の高い情報を取り扱う場合は、注意しなければなりません。

個室型の間取り

何よりもまず、誰にも邪魔されずに仕事に集中できることが最大のメリットと言えるでしょう。自分のペースで仕事を進められ、集中力が途切れることなく業務に取り組めます。

照明や温度、インテリアなどを自分の好みに合わせてカスタマイズすることで、より快適で集中しやすい環境を作れる点も魅力です。仕事専用のスペースを設けることで、オンとオフの切り替えがはっきりとし、メリハリのあるワークスタイルを実現できる点も大きなメリットです。

一方で、個室型のテレワークスペースを設けるには、それなりの費用が必要となる点がデメリットとして挙げられます。部屋の確保、家具の購入、インターネット環境の整備など、初期費用がかさむ可能性があります。

また、独立した空間であるがゆえに、閉鎖的な印象を与えかねない点も考慮が必要です。特に、子育て中の世帯では、子どもの様子が見えにくいなど、不安を感じる場面もあるかもしれません。家事との両立のしにくさも懸念材料の一つと言えるでしょう。

具体的な間取りの作り方

テレワークが普及する中、自宅での快適な仕事環境を整えることが重要になっています。しかし、限られた空間で効率的なワークスペースを確保するのは容易ではありません。そこで、既存の間取りを活かしながら、テレワークに適した空間を作り出す方法をいくつかご紹介します。

ロフトを利用する

ロフトは、まるで隠れ家のようなプライベート空間を確保できる点が魅力です。テレビなどの誘惑を断ち、仕事に集中しやすい環境を整えられます。また、家族の様子を伺いやすいのもメリットと言えるでしょう。

ただし、ロフトは温度調整が難しく、夏は暑く、冬は寒くなりがちです。採光が乏しく、照明に頼らざるを得ないため、空間全体が暗くなってしまう点もデメリットです。天井が低いため、圧迫感を感じやすい点にも注意が必要です。

快適なワークスペースにするには、窓の配置を工夫して採光を確保したり、適切な照明を選んだりすることが大切です。

寝室の一角を利用する

寝室を利用する方法は、プライバシーと集中力を確保できる効果的な選択肢です。寝室の一角を活用することで、生活音を気にせず仕事に集中できる環境を整えることができます。

具体的には、化粧台をワークスペースに改造したり、壁で仕切って造作デスクを設置したりする方法があります。就寝前後の読書や化粧用のスペースも工夫次第でワークスペースとして活用可能です。

ただし、布団などが目に入ると集中力が削がれる可能性があるため、仕事中は片付けるなどの配慮が必要です。また、パーティションやロールスクリーンを使用して寝る場所と作業する場所を区切ることで、より効果的なワークスペースを作り出せます。

スキップフロアや階段下を利用する

スキップフロアや階段下を活用する方法もあります。スキップフロアは、同じ空間内に段差や階段で中二階のようなスペースを作り出すことで、緩やかに空間を区切ることができます。こうした場所は、家族の気配を感じながらも適度な距離感を保ちつつ仕事ができます。

階段下のスペースも有効活用できます。物置として使われがちな階段下を整理し、机と椅子を設置することで、コンパクトながら効果的な仕事場を確保できます。

テレワークの間取りの注意点

在宅勤務を快適に行いたいと思い、環境を整えたものの、実際には使いづらいと感じている方もいるようです。ここでは、テレワークを行う際の部屋の間取りに関する注意点について詳しく解説していきます。

部屋の広さに注意

テレワークを快適に行うためには、部屋の広さに気を配ることが重要です。広すぎる部屋では集中力が途切れやすくなる可能性があり、反対に狭すぎる部屋では圧迫感を感じてストレスが増す可能性があるからです。快適な作業スペースを確保するため、幅180cm、奥行き90cm程度のデスクが無理なく置ける程度の広さを目安にすると良いでしょう。

日当たりに注意

部屋の日当たりは非常に重要です。自然光が差し込む明るい部屋は、仕事の効率を高め、メンタルヘルスにも良い影響を与えます。日当たりの良い部屋で仕事をすることで、気分転換がしやすく、ストレスを軽減することができるからです。

反対に、日当たりの悪い部屋で長時間作業を行うと、気分が沈みやすく、集中力も途切れがちになります。快適なテレワーク環境を作るためには、日当たりの良い部屋を選ぶように心がけましょう。

コンセントの位置と数に注意

コンセントの位置と数も非常に重要です。コンセントの位置によってデスクの配置が決まる場合があり、不足すると延長コードが必要となり、見た目も悪く集中力を下げてしまいます。事前に仕事で使う電化製品の数や配置、デスクからコンセントまでの距離を想定しましょう。

快適な作業環境のため、テレワークに必要な電化製品を考慮し、コンセントの多い場所にテレワークする場所を設けます。後からコンセントを増設すると費用がかかる場合もあるため、事前にしっかり検討しましょう。

収納スペースが足りない

テレワークの間取りを考える際、収納スペースの不足は見落としがちな問題点です。オフィスと違い、自宅で仕事関連の書類を保管する必要が出てくるため、予想以上のスペースが必要になることがあります。電子化が進んでいても、紙の資料は依然として多く存在します。そのため、仕事に必要な書類や資料を整理・収納できる可動式の棚や引き出しを設置し、収納スペースを確保しましょう。

まとめ

テレワークの普及に伴い、自宅での快適な仕事環境づくりが重要になっています。テレワークに適した間取りを考える際は、集中力を高められる環境、空間の快適性、適切な設備、セキュリティに注意が必要です。

間取りのタイプには、オープン型、半個室型、個室型があり、それぞれに長所と短所があります。既存の間取りを活かす方法として、ロフト、寝室の一角、スキップフロアや階段下の利用などがあります。

部屋の広さ、日当たり、コンセントの位置と数、収納スペースにも注意が必要です。これらの点を考慮し、自分に最適なテレワーク環境を整え、快適なテレワークを実現しましょう。

ご家族ごとの理想を諦めない家づくりは、ぜひThe Terrace Homeにご相談ください。