「20代で組む住宅ローンの平均額は?」
「20代でマイホームを買う時のポイントを教えてほしい」
マイホームを購入する際、多くの場合は住宅ローンを組む必要があります。住宅ローンは多額なので、身の丈に合わないローンを組むと、生活に大きな影響を与えてしまうでしょう。
「でも、住宅ローンのことなんて分からない…」
という方もご安心ください。この記事では、20代で組めるローンの平均額の他、ローンを組める年収の目安やポイントについて詳しく解説しています。
この記事を読めば、20代の方でもマイホームを持てるかどうか、すぐに分かるでしょう。ぜひ最後までご覧ください。
Contents
20代の平均住宅ローン額は?
20代で住宅を購入する際、多くの人が利用するのが住宅ローンです。
社会人になったばかりの方は、借入額や返済プランに関する不安が大きいかもしれませんが、20代の平均ローン額や収入に基づく限度額を把握することで、現実的な計画を立てることができるでしょう。
20代の平均ローン額や年収による借入限度額について解説しますので、参考にしてみてください。
20代の平均住宅ローン額は2,300万~2,500万円
20代で組む住宅ローンの平均額は2,300万~2,500万円です。
金額に幅があるのは、年収や状況により差異が発生するためです。20代はまだ年収が安定していない場合も多いですが、それでも住宅購入を検討する人が増えており、借入額の平均は比較的高い水準にあります。
後ほど詳しく解説しますが、ローンの借入限度額は年収の6倍前後です。20代の平均年収は300~400万円であるため、その6倍前後である2,300~2,500万円が平均額になっています。
高額なローンを組むことはリスクもありますが、平均的な借入額を参考にし、計画的な返済を心掛けることで、リスクを最小限に抑えることが可能です。
年収の6倍前後が借入限度額の目安となる
住宅ローンの借入限度額は、年収の約6倍が目安となります。
6倍である理由は、金融機関が借り手の返済能力を考慮し、一般的に年収の6倍程度を借入限度額として設定しているためです。倍率については、購入する住宅タイプによって、次のような差異があります。
- 注文住宅:約6.5~7倍
- 建売住宅:約6.5~7倍
- 中古戸建:約5.5~6倍
購入する住宅のタイプによって若干是後しますが、大まかには年収の6倍を基準に、借入限度額を想定しておくと良いでしょう。
男女別の収入によるローン金額の違い
20代前半と後半では、男女ともに収入差があり、それに応じて借入限度額も変わります。
男性は女性に比べて平均年収が高く、借入限度額も高い傾向にあります。20代男女の具体的な平均年収は次の通りです。
20代前半男性 | 20代前半女性 | 20代後半男性 | 20代後半女性 | |
---|---|---|---|---|
平均年収 | 290万円 | 250万円 | 400万円 | 350万円 |
借入限度額 | 1,740万円 | 1,500万円 | 2,400万円 | 2,100万円 |
20代前半では年収が低く、2,000万円以上の借入が難しいことが分かります。ただし、共働きでマイホームを購入する場合、夫婦それぞれがローンを組む「ダブルローン」を使うことで、借入限度額を増やすことができます。例えば、平均年収290万円の男性と250万円の女性がそれぞれローンを組んだ場合、合計で3,240万円のローンを組むことができる計算です。
もちろん、ダブルローンにはメリットもデメリットもあるため、借入を行う際は慎重な検討が必要になります。自分の収入に合った無理のないローン計画を作成しましょう。
参考:https://www.jhf.go.jp/about/research/loan_flat35.html
20代の住宅ローン平均借入期間と利息について
20代で住宅ローンを組む際は、借入期間についても理解しておきましょう。
長期間にわたるローン返済では、利息が毎月の返済額や総支払額に大きな影響を及ぼします。何も知らずにローンを組んでしまうと、せっかくマイホームを手に入れても、生活が苦しい…なんてこともあり得るでしょう。
そんな事態を防ぐためにも、次で解説するポイントについては、必ず押さえておいてください。
平均借入期間は30年
住宅ローンの平均借入期間は30年です。
多くの住宅ローンは長期にわたります。特に20代でローンを組む人は、返済期間を30年とするのが一般的と言えるでしょう。長期間にわたって返済することで、毎月の返済額が抑えられ、生活への負担が軽減することができるからです。
例えば、3000万円の住宅ローンを年利1.5%で30年借りた場合、月々の返済額は約10万円になります。支払期間を35年に延ばすと毎月の負担は減りますが、利息がつき、総支払額は増えます。そのため、返済期間と支払総額のバランスが取れた、30年を選ぶ人が多いのです。
ただし、30年という期間が正しい訳ではありません。返済能力と支払総額のバランスを加味した上で、適切な返済期間を設定する必要があることは留意しておきましょう。
借入期間が長いと支払総額が増えるのはなぜ?
これは、返済期間が長くなるほど元本にかかる利息の累計が大きくなるためです。
毎月の返済額が少ないと、元本の減りが遅くなり、その分利息が多くかかります。結果として、利息が積み重なり、支払い総額が増えてしまうのです。
例えば、3000万円を年利1.5%で30年借りた場合、総支払額は約3600万円となりますが、35年に延ばすと約3750万円に増えます。期間が5年延びるだけで、利息分の支払額が約150万円増えることになります。
ただし、返済期間を延ばすことで利息が150万円増えるものの、月々の返済額は約1万円程度減るため、収入に応じて無理なく支払いを続けやすくなる…というメリットも。
返済総額を取るか、支払いのしやすさを取るかは、あなたの状況次第です。いずれにしろ、無理のない返済プランを組むようにしましょう。
20代で住宅ローンを組む人は「返済比率」を理解しておこう
20代で住宅ローンを組む際に必ず知っておきたいのが「返済比率」です。
返済比率を無視してローンを組んでしまうと、あなたの生活に大きな影響を及ぼしてしまいます。
バランスの取れた生活を送っていくためにも、返済比率の基本について学んでおきましょう。
返済比率とは「年収に対する返済額の割合」のこと
返済比率とは、年間のローン返済額が年収に対してどれくらいの割合を占めるかを示す指標です。
返済比率は「年間返済額 ÷ 年収 × 100」で計算され、返済の負担感を客観的に把握するための目安として用いられるのです。多くの金融機関では、無理のない返済比率として20〜25%が推奨されています。
例えば、年収500万円の人が年間で150万円(毎月約12.5万円)を返済すると、返済比率は25%になります。返済比率は年収に対する返済のバランスを考える際の、重要な指標なのです。
返済比率が分かれば、今後のライフプランもイメージしやすくなります。ローンを組む際は必ず確認しておきましょう。
20代の平均年収に当てはめると月々の返済額はどのくらい?
返済比率25%を20代の平均年収に当てはめると、次のようになります。
- 年収290万円…月々の返済額は約6万円
- 年収400万円…月々の返済額は約8万円
月々の返済額が分かると、月々の収支がイメージしやすくなり、住宅ローンを組むかどうか判断しやすくなるでしょう。
返済比率は絶対的な基準ではありませんが、25%を超えると日常生活にひずみが生じやすくなります。返済比率が大きすぎると、せっかくマイホームを購入したのに、食費や光熱費を削らないと生活できない…なんてことにもなりかねません。
そうならないためにも、返済比率が25%を超えない範囲で返済プランを組んでいきたいところです。
20代で住宅ローンを組む際に押さえておくべきポイント
それでは、実際に20代で住宅ローンを組む際に、押さえておくべきポイントについて解説します。
住宅ローンを組む際は、無理のない返済プランを立てることが重要です。ポイントを押さえずに組んでしまうと、生活に大きな影響を及ぼす可能性もあります。
次で解説する5つのポイントを押さえて、無理のない返済プランを立てていきましょう。
1. 返済比率の重要性を理解しておく
先ほど解説した返済比率は、住宅ローン返済が家計に与える影響を知るための重要な指標です。
返済比率とは、年収に対して住宅ローン返済額がどれだけの割合を占めているかを示すものです。通常、返済負担率は20~25%以内が理想的です。これを超えると、先に解説した通り、生活費や他の支出に影響が出る可能性があります。
年収400万円の人の場合、月々の返済額を25%とすると、月々の返済額は8万円が目安となります。8万円の支出が固定されるため、残った所得で生活費を賄えるか、十分にシミュレーションする必要があるでしょう。
無理のない返済計画を立てるためには、返済比率を理解し、自身の収入に見合ったローンを組むことが大切です。
2.頭金を住宅費用の20%分用意する
頭金は、住宅ローンの返済額や返済期間に大きな影響を与えます。
頭金が多ければ、住宅ローンの審査に通りやすくなる上に、借入額や利息を大きく減らすことができます。住宅を購入する際は、20%程度を頭金として準備するのが一般的です。
例えば、3000万円の住宅を購入する際に600万円の頭金を用意できれば、残りの2400万円をローンで借りることになります。返済期間を30年とすると、次のような違いが出ます。
借入額 | 3,000万円 | 2,400万円 |
---|---|---|
月々の返済額 | 10万3,500円 | 8万2,800円 |
返済総額 | 3,726万円 | 2,981万円 |
利息 | 726万円 | 581万円 |
頭金を用意できるだけで、返済負担額を軽減できるだけでなく、200万円もの利息を減らすことができるのです。
マイホームを購入予定の方は、焦って住宅ローンを組んでしまうと、今後の生活に大きな影響が出る可能性があります。審査を通しやすくしたい方や返済の負担を減らしたい方は、頭金を十分に貯めてからローンを組むと良いでしょう。
3. 金利タイプの選択
金利タイプは、住宅ローンの返済額やリスクに大きく影響を与えるため、慎重に選ぶ必要があります。
住宅ローンには、主に固定金利型と変動金利型の2種類があります。詳しい内容は次の通りです。
金利タイプ | 概要 |
固定金利型 | 金利が一定だが、変動がないため安定感がある |
変動金利型 | 変動する可能性があるが、一般的には金利が低い |
【具体例】
例えば、3000万円のローン返済を変動金利0.4%と固定金利1.4%で比べた場合、返済額や利息は次のような違いが出ます。
- 変動金利0.4%(30年返済)
- 月々の返済額: 約8万7,660円
- 総利息額: 約554万円
- 総返済額: 約3,055万円
- 2. 固定金利1.4%(30年返済)
- 月々の返済額: 約10万2,000円
- 総利息額: 約1,672万円
- 総返済額: 約4,672万円
月々の返済額は変動金利の方が約1万4,340円安く、総利息額は変動金利の方が約1,118万円少なくなります。
「じゃあ変動金利に!」
と言いたくなりますが、変動金利は経済に大きな影響があると、簡単に1%や2%を超える場合があります。過去にバブルが崩壊した際は、8.5%を超えたこともありました。そのため、一概に変動金利で…というわけには行かないでしょう。
金利タイプの選択は、将来の収入やリスクに応じて慎重に判断し、無理のない返済計画を立てることが必要です。
4. ローンシミュレーションを活用する
住宅ローンの借入額や返済計画を立てる際には、ローンシミュレーションを活用することで、より具体的な計画を立てやすくなります。
ローンシミュレーションは借入額、返済期間、金利などの条件を入力することで、毎月の返済額や総支払額を簡単に試算できるものです。これにより、自分に合った返済プランを把握しやすくなります。
例えば、3000万円の住宅を購入し、金利1.5%、返済期間35年と設定してシミュレーションを行えば、月々の返済額がどの程度になるかを確認できます。また、頭金や金利条件を変えてシミュレーションを行い、最適なプランを見つけることもできるでしょう。
シミュレーションを活用することで、借入額や金利による返済額の違いを理解でき、ローンの選択や判断をしやすくなります。ローンを組む前に利用してみましょう。
5. ローン審査に通過するための注意点
住宅ローン審査を通過するためには、返済比率や収入、信用情報などに気を付ける必要があります。
住宅ローンの審査では、年収に対する返済比率や過去の借入状況、クレジット履歴などをチェックされるからです。これらの基準を満たせない場合、審査に落ちる可能性があります。
例えば、過去にクレジットカードの延滞があると、信用情報にマイナスがつき、審査に通りにくくなることがあります。また、年収に対して借入額が過大である場合も審査が厳しくなるため、慎重に借入額を設定する必要があるでしょう。
ローン審査に通過するためには、信用情報や返済比率を意識し、無理のない借入額を設定することが大切です。
20代で住宅ローンを組むメリットとデメリット
20代で住宅ローンを組むことは、将来の資産形成や低金利時代の恩恵を受けられる一方、収入やライフプランの変化に伴うリスクもあります。
若い時期に住宅を購入するメリットとデメリットをしっかり理解しておけば、あなたに合ったローンを選択しやすくなるでしょう。
あなたの将来のためにも、20代ならではのメリット・デメリットを押さえておいてください。
メリット
資産形成をしやすくなる
第一のメリットは、資産形成をしやすくなることです。
20代で住宅ローンを組むと借入額に限りがありますが、その分、月額返済額を抑えられたり、早めにローンを完済したりすることができます。
例えば、20代で30年の住宅ローンを組んだ場合、50代のうちに返済が可能になる計算です。20代時点での年収で住宅ローンを組むため、年収が上がれば返済負担も減り、貯蓄に回すこともできるでしょう。
高額な借入は難しいものの、長期的に見ると資産形成をしやすいのは、20代でローンを組む1番のメリットと言えるでしょう。
低金利時にローンを組むと返済負担が減る
2つ目のメリットは、低金利時にローンを組むと、返済負担が減ることです。
「年収が低いから、返済が負担になりそうだな…」
と思う20代の方こそ、低金利時に積極的にローンを組んでいくべきです。2010年ごろは3%前後で推移していた金利は、2024年現在では1.4~1.8%前後で推移しています。
例えば、3000万円のローンを金利1%で組んだ場合、月々の返済額は9万円ですが、金利2%では約11万円となり、年間で約24万円もの差が出てしまうのです。
年収が低いから…と言ってローンを組まないでいると、金利が上がり、更にローンを組みづらくなってしまう可能性があります。金利の推移について情報を集めながら、慎重に検討してみましょう。
デメリット
収入の伸びやライフプランの変化に伴うリスク
20代でローンを組むデメリットは、ライフプランに不安定さがあることです。
20代のうちは転職や結婚など、様々なライフイベントが発生します。転職すれば一時的に給料が下がり、結婚すれば生活費の負担が増加するため、返済プランに変化が生じるでしょう。
20代後半になると、およそ40%の方が転職します。転職すると、一時的に給料が下がるため、一時的に返済の負担が増加するでしょう。疾病にかかり、働けなくなるリスクも0ではありません。
先の長い時代だからこそ、ローンを組む際は様々なリスクも潜んでいることを考慮する必要があるでしょう
借入額に限界がある
2つ目のデメリットは、借入額に限界があることです。
先にも述べた通り、借入額の相場は年収の6倍程度です。年収300万円であれば、約1,800万円が借入限度額ということになります。
1800万円となると、新築での購入は難しい場合が多いでしょう。また、購入できたとしても、部屋が狭かったり、立地が悪かったりなどの制約が発生する場合があります。
「せっかく購入したのに住みづらい…」
なんてことになっては、大きな後悔を残すことになってしまいます。マイホームを購入する場合は、慎重に検討していきましょう。
20代で住宅ローンを組む際の注意点
20代で住宅ローンを組む際は、いくつかの注意点があります。
勢いだけでローンを組んでしまうと、後々大きなトラブルになる可能性もあるでしょう。
後悔を残さないためにも、次で解説する3つのポイントについて押さえておいてください。
将来の収入変動やライフイベントを考慮する重要性
1つ目はライフプランの変化についてです。20代のうちは、次のようなライフイベントが起きる可能性があります。
- 転職
- 結婚
- 子育て
転職に伴う年収の変動や出勤場所の変化、結婚に伴うライフスタイルの変化など、大きな変化が起こりやすい時期です。
マイホームを持っていると、遠方への異動は難しくなるでしょう。また、結婚後や出産後は支出が増加するため、返済負担も増加します。
マイホームは自分だけのこだわり空間を持つことができる代わりに、変化に伴う柔軟性にはやや欠けることを理解しておきましょう。
ローン返済におけるリスク管理(病気や失業時の保険など)
ローンを組む際は、返済時のリスク管理についても考慮する必要があります。
ローンを組んだ直後に事故や病気などで働けなくなった場合、私たちにはどのような選択肢があるでしょうか。例えば、次のような手段で収入を得たり、ローンの返済を免除したりできます。
- 失業保険(失職時に受けれる給付金)の給付を受ける
- 傷病手当(ケガなどで休職した際に受けれる給付金)の給付を受ける
- 団信制度(死亡や高度障害の際に受けれる保険)を利用する
いずれも条件や制約があり、手軽に受けられるものではありませんが、万が一の場合に備え、ローンの返済手段などについて考えておくと良いでしょう。
頭金の準備について
ローンを組む際は、頭金を総額の20%ほど準備できるのが望ましいです。理由は以下の通り。
- 審査に通りやすくなるため
- 利息の返済総額を減らすことができるため
先でも解説しましたが、3,000万円のローンを組んだ場合、頭金600万円を支払うことで利息を200万円も減らすことができます。
利息は元本に対してかかる金額であるため、金額が少なければ少ないほど、利息も低下します。
頭金は、一時的に見れば大きな金額が飛んだように見えてしまいますが、長い目で見れば、お釣りと共に返ってきてくれるものです。返済負担を減らしたい方は、まず頭金の準備をしてから住宅ローンに臨みましょう。
【まとめ】20代での住宅ローンの平均額は2,300~2,500万円
ここまで20代の住宅ローン平均額や、住宅ローンを組む際のポイントについて解説してきました。まとめると次のようになります。
- 20代での住宅ローンの平均額は2,300~2,500万円
- 借入期間は平均30年
- 返済比率は25%以内に抑える
- 20代でローンを組むメリット・デメリットをよく理解しておく
20代だからといって、マイホームを諦める必要はありません。工夫しだいで、あなたの望む住宅を手に入れる方法はいくらでもあります。
ただ、選択肢や情報が多すぎて、何から手を付けたら良いのか分からない…という方もいるでしょう。
そんな方は、ぜひ当サイトにご一報ください。当サイトでは住宅ローンに精通したスタッフが、あなたのお悩みにお応えしています。
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